コラーゲン摂取に美肌効果はあるのか?
こんにちは。たいきちです。
サプリを含む健康食品は、今や売り上げが2兆円に迫る巨大な産業にまで成長しました。’「今では健康食品をほぼ毎日利用している」という人も多くいます。
しかしそもそもサプリメントとは「医薬品」ではなく、あくまで「健康食品」でしかないことを忘れてはならなりません。本日はよく耳にすする、お肌がツヤツヤになる美容効果といえば、コラーゲンです。
この記事ではコラーゲンで美肌効果が期待できるのか?
科学的論拠に基づいてご紹介致します。
はじめに
Googleでコラーゲンと検索すると非常に多くのサプリメントが検索されます。
もちろんコンビニでもコラーゲンのサプリやドリンクが多く発売されています。
そこでの謳い文句といえば、女性の絵が描かれており、「プリプリを目指したい」「若々しさを保ちたい」なんて記載が散見されます。
さらには「低分子コラーゲン」「ヒアルロン酸コラーゲン」など、様々なネーミングのサプリが日本には溢れています。
「濃密コラーゲン配合」「綺麗に溶ける」など、消費者の我々は、なんとなく??「美しく??」なるようなイメージのパッケージが多くあります。
しかし、お肌が美しくなる、とは言っていても注意書きには(個人の感想です)などあやふやです。
なぜなら、残念ながらコラーゲンを経口摂取する事が直接的にお肌に作用をして若々しさ、肌の美しさに作用する確固たる科学的根拠はありません。
要するに、コラーゲンたっぷりのサプリや「すっぽん」を食べて、飲み続けて、お肌が綺麗になることはないのです。
この「食べては、経口摂取では綺麗にならない」がサプリ選びでは重要なポイントになります。
ではコラーゲンとはいったいどのような成分なのでしょうか。紹介していきます。
コラーゲンとは何か
結輪を言います。コラーゲンとは、たんぱく質の一種です。
コラーゲンとは何かを一言でいうと、「繊維状の構造を持った高分子たんぱく質」です。
人間のからだの約60%は水分です。脂質が15~20%、たんぱく質は20%、その他ミネラルなど数%で構成されており、このたんぱく質の中の約30%をコラーゲンが占めています。
水分を除くと、からだを構成する固形状の成分の約6%がコラーゲンであるといえますので、体内のいろんなところに存在し、それぞれの場所で重要な役割を果たしています。
しかし、あくまでも体の中で生成されるものであり、外側から経口摂取しても同じタンパク質として分解されてしまうのです。
コラーゲンは体内で重要な役割を担っていますから、食べても健康で、綺麗になれるかもしれないと期待を強く抱かせるサプリの成分だといえます。
その中で、コラーゲンの最も大きな役割として言われるのが、「細胞や組織を結びつける役割」です。
のりや接着剤のように貼りつけるというよりも、それぞれの細胞を結びつける糸のようなイメージです。
皮膚、筋肉、骨、内臓などあらゆる組織に存在し、細胞と細胞の間をコラーゲン繊維で繋ぐ役割や、細胞を支える足場としての役割、正しい位置から動かないように支える役割、しなやかさを与える役割、水分等の移動が起こらないように膜を作って仕切りを作るような役割も担っています。
最近ではお肌にコラーゲンのイメージが強いですが、それは間違いです。
コラーゲンはお肌だけに存在しているわけではなく、内臓、血管、骨、腱など様々な場所に存在しています。
確かにコラーゲンが一番多く存在するのはお肌=皮膚です。これは事実です。
体内のコラーゲンの約40%は皮膚に、約10~20%は骨や軟骨に存在しています。
しかし、皮膚は体内に占める面積も広いので、コラーゲン分布の割合としては高いですが、ひとつひとつの組織として見ていくと、実は「最もコラーゲンが多く存在している組織は腱」です。
アキレス腱などを代表とする関節部分を繋ぐ組織です。腱の約85%はコラーゲンでできています。
皮膚は約75%がコラーゲン、また、意外かもしれませんが、骨の約25%はコラーゲンで出来ています。
効能効果が期待できない理由
このように体で生成されるコラーゲンはとても重要なものである事はご理解できたかと思います。
しかし、このコラーゲンは服用したからといって、その分、すぐに体にコラーゲンが増えるものではないのです。
たんぱく質は「アミノ酸」が複数結合したものの総称ですが、この分子量と構成によって、「コラーゲンペプチド」「ゼラチン」「コラーゲン」と呼び方が変わり、体内での吸収のされ方も違ってくると考えられています。
すなわち経口で摂取したコラーゲンは消化の段階でコラーゲンではなくなるのが事実です。
実はコラーゲンにはいくつか種類があります。現在発見されているのは全部で29種類です。
それぞれ少しずつ構造や分子量が異なった性質を持っています。一番有名な「Ⅰ型コラーゲン」は、最初に発見されたコラーゲンですが、この名称を見てもわかるように、コラーゲンは発見された順にⅠ型、Ⅱ型とローマ字を使って名前が付けられています。
また、すべてのコラーゲンが実は「線維を形成するタイプ」ではありません。
線維を形成しない非線維性コラーゲンも存在します。低分子は吸収されやすいなど、様々な事が言われていますが、もし確固たる科学低根拠があるなら、それは健康食品ではなく、「医薬品」です。
たとえば、非線維性コラーゲンの中には、細胞膜に結合し存在するものなど、その形は実に様々です。
簡単に考えるならば、コラーゲンは一括りではなく、沢山種類があるということです。
難しいお話でした。忘れましょう。
たんぱく質は、飲んだ瞬間に消化、吸収、代謝、排泄されるのです。
そのコラーゲンサプリは飲んだ瞬間に形を変えてしまう、「たんぱく質」なのです。
ですから飲んだらすぐに、「直接」お顔にだけ、気になる肌だけにダイレクトに作用するようにはできていないのです。
服用しているコラーゲンはどの種類でしょうか。29種類のどの型でしょうか。消費者にはわかりません。
安易にコラーゲンを飲んでいるから「50代で20代の肌」なんてCMや、ユーチューバーや芸能人の「企業案件」に騙されていませんでしょうか。
お肌のツヤや質は主に水分です。人間の体のほとんどは水分なので、水分が足りなければ肌が乾燥します。
たとえば、減量前のボクサーは肌がひび割れてしまいます。
つまり、しっかり水分をとっていたほうがしっかり水分は体全体に吸収され、お肌のコンディションが保てるかもしれません。
コラーゲンサプリを信じるも信じないあなた次第です。
しかし、安易にコラーゲンを人にお勧めしたり、お肌が気になる方にコラーゲンをお勧めする事は本当にその人にとって良いのか、しっかりと考える必要があります。
まとめ
今回はコラーゲンで美肌効果が期待できるのか?科学的根拠を中心にご紹介させていただきました。
本当にコラーゲンサプリを服用してお肌のコンディションが保てるのか。
あくまでも、必ず効果のある「健康食品」として、人に勧めることなく、個人の判断で服用する事をお勧めします。
お肌の乾燥には、まずは保湿剤が有効な場合があります。
抗がん剤の皮膚障害の管理もまずは保湿剤、次にステロイドです。
保湿については、こちらの記事もご参照ください。
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お肌のトラブルにコラーゲンをお勧めする事は、しっかり考える必要がありますね。