ウイルスや細菌を一番なくすのはアルコール? アルコール噴霧は手洗いと同じ? アルコール消毒噴霧器の効果について、徹底解説します!

こんにちは。薬剤師たいきちです。

この記事は患者様のため、論文やガイドラインをしっかり調べて書いています。

ぜひ参考にしてくださいね。

この記事の概要

 

  • アルコールの効果は実はウイルスによって全く異なる
  • アルコールの効果は、細菌のほうがウイルスよりも聞きやすい
  • アルコールと手洗いの使い分けは?
  • 結局、どのアルコール消毒噴霧器をつかったらいいの?

 

新型コロナウイルス感染症が流行して以来、アルコールを中心とした「消毒」「除菌」は、もはや「常識」と思えるくらいにあちこちに置かれるようになりました。

 

例えばレストランで食事するとしますよね。

 

お客さんはお店に入る前に「消毒」してから入るように促されます

机もイスも全て「消毒」された状態にしてから通されます

食事の前にも「除菌」してから食事します

もちろん食器などはすべて十分「除菌」された状態です

空気清浄機や換気をよくして、ウイルスが蔓延しない環境を作っています

お店を出る時も手を「除菌」してお店をでます

 

このように、日常生活において「除菌」や「消毒」はあたりまえのものになっているのです。

 

この中で、一番日常生活で使うのは「手」です。何をするにも手が欠かせません。

 

そのため、アルコール除菌がなかったころは、よく「手洗い」をしていました。

それが、アルコール噴霧器が作られるようになり、手の除菌も一変しました。

アルコール噴霧器でアルコール消毒すれば、「手洗い」のように除菌もできて、しかも振りかけてすり込めばいいので、わざわざ水場のところに行かなくてもよくてお手軽です。こうしてたちまちアルコール除菌が「手洗い」にとってかわるようになりました。

 

しかし、本当にアルコール噴霧器による「除菌」「消毒」は「手洗い」と同じ効果を持っているのでしょうか。アルコール消毒はどこまでウイルスや細菌を除去できることが証明されているのでしょうか。

 

今回は、アルコール噴霧器によるアルコール「除菌」の効果について徹底解説していきます。

 

もくじ

 

  1.  アルコール消毒のメカニズム
  2.  アルコール消毒で、ウイルスはどれくらい除去されているのか
  3.  アルコール消毒で、細菌はどれくらい除去されているのか
  4.  アルコール消毒は「手洗い」の代用にすることができる?
  5.  アルコール噴霧器のおすすめアイテム

 

 

 

アルコール消毒のメカニズム

 

そもそも、どうしてアルコールを噴霧すると、ウイルスや細菌が「除菌」されるのでしょうか。

 

実は、それは、アルコール(正式にはエタノール)の濃度によって異なります。

 

アルコール濃度が20%以下のような低濃度の場合、細胞膜がアルコールによって、傷つき、菌体内の栄養成分を漏出やRNAの合成を阻害することで、菌を殺します。一言でいえば、「菌を兵糧ぜめにして、増殖を止める」ことで殺すイメージです。ですので、実はアルコール濃度が低濃度でも菌は30分から48時間くらいで死滅します。

 

アルコール濃度が40%を超えたあたりから、細胞膜という菌の鎧に傷をつけるだけでなく、完全に破壊することで死滅させていきます。菌へのダメージがもっと直接的になるので、一気に殺していきます。70%くらいの濃度でそのスピードが一気に加速し、5分以内には、死滅させることができます。

 

逆に、70%以上超えると、逆に少し遅くなります。なぜなら、細胞膜が破壊されるのには、エタノールだけでなく、材料として水も必要だからです。エタノールと水が1対1の割合の時、つまり重量で70%の溶液が一番効果的というのは、理にかなった話なのです。

 

アルコール消毒で、ウイルスはどれくらい除去されているのか

 

実は、「ウイルス」とひとくくりにいっても、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス、アデノウイルス、ノロウイルスなどなど、非常に多くのウイルスが存在します。

 

そして、アルコールの「除菌」効果は、ウイルスによってもかなり異なっているのです。

 

ウイルスは、大まかにわけて、「エンベロープウイルス」と「ノンエンベロープウイルス」に分かれます。

 

「エンベロープウイルス」は、ウイルスの表面を脂肪の膜につつんでいるのが特徴です。インフルエンザウイルス、最近猛威をふるっている新型コロナウイルスが代表例になります。アルコールはこの脂肪の膜を壊すことができるので、比較的濃度が薄い状態でも「除菌」することができます。例えば、インフルエンザウイルスだと、アルコール濃度が30%前後から効力を発揮してきます。(渡辺実, 野田伸司, 山田不二造, 藤本進. アルコール類のウイルス不活化作用に関する研究. 感染症学雑誌 1981; 55(5): 367-372.)

 

一方、「ノンエンベロープウイルス」は、脂肪の膜を持っておらず、カプシドというたんぱく質の殻で変わりに守られています。ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどが代表的です。これらは、アルコールに対して、非常に強く、なかなかアルコール消毒薬では効果が得られませんので、塩素系消毒剤を用いることになります。

事実、アデノウイルスを対象例にした実験では、アルコール濃度70%から80%にしても抗ウイルス効果は得られませんでした。 (赤沼正堂. Real-time PCR 法を用いたアデノウイルスに対する消毒薬の評価. 日眼会誌. 2006; 111(5): 384-390)ですので、これらのウイルスを相手にするときは、注意が必要ですね。

 

アルコール消毒で、細菌はどれくらい除去されているのか

 

では、アルコール消毒の細菌に対する効果はどうでしょうか。

ウイルスと同様に、一言で「細菌」といっても非常に数多くありますので、細菌の種類によっても反応が大きくことなります。

 

Priceらは外科領域での消毒に用いるエタノールの殺菌効果について、皮膚に付着しやすい菌である、Staphylococcus aureus、Escherichia coli、Staphylococcus albus の3 菌種を用いて、アルコール除菌の有用性を評価しています。エタノール濃度を変化させ、スプーン上でエタノールと菌液を混和する試験管上の試験と、手と腕の皮膚上での殺菌を行う in vivo 試験系で詳細に検討を行い、60~90 %の濃度で迅速で高い殺菌効果があること、60 %以上の濃度で皮膚の殺菌に効果的であることを報告しています。(Price PB. Reevaluation of ethyl alcohol as a germicide. Arch Surg 1950; 60: 492-502)

 

一方で、芽胞といって、細菌を硬い殻でつつんでいるような細菌に対して、アルコールは有効ではありません。破傷風菌やボツリヌス菌、ウェルシュ菌のようなクロストリジウム属の細菌が代表例になります。

 

このように、すべての細菌に対してアルコールが効果があるわけではありませんが、一般的には、アルコールはウイルスよりも細菌のほうが低濃度で効果を発揮しやすい傾向があります。

 

アルコール消毒は「手洗い」の代用にすることができる?

 

結論からいうと、アルコール消毒は、「手洗い」の完全な代用にすることはできません。

なぜなら、アルコールは目に見えないウイルスや細菌に対して効果を持ちますが、大きなたんぱく質やごみを除去することはできないからです。

 

しかし、CDCのガイドラインでも示されていますが、「手が目に見えて汚れていない時はアルコールベースの種子消毒薬を用いてルーチンの手指の汚染除去を行う」ことを強く推奨されています。(カテゴリーAといって、複数の質の良い実験で証明されています。)

それに対して、「手が目に見えて汚れていない状態での、抗菌石鹸と水でのルーチンの手洗い」についてはカテゴリーBであり、強く推奨されていますが、証明レベルはやや弱くなっています。

 

それは、アルコール消毒が手洗いに比べて、持ち歩きもしやすく、簡便であることが言えるでしょう。

 

もちろん、アルコールによる手荒れには十分注意する必要がありますね。

 

アルコール噴霧器のおすすめアイテム

 

このように、感染予防に欠かせないアイテムであるアルコールやアルコールを用いた除菌グッズは今のご時世に欠かせないアイテムになっています。

 

しかし、アルコール噴霧器は実際非常に多くの種類が販売されており、どれを使っていいか、判断が難しいですよね。

 

そこで、販売されているアルコール噴霧器の1回量や実際の使い心地、液だれを実際に使って評価いたしました。

 

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