ウコンを飲めば二日酔いにならないのか?【薬剤師がドラッグストアで勧めても相手のためにならないサプリメント⑤】

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ウコンを飲めば二日酔いにならないのか?

 

こんにちは。たいきちです。

 

今回はウコンのお話です。

 

はじめに

 

ウコンは、東南アジアを中心に分布しているショウガ科の多年草植物です。「漢方」として昔から広く利用されてきました。

 

「ウコンなんて食べたことない」と思われる方も、カレーを食べたことはありますよね。

 

カレーの黄色い色素の元になっている「ターメリック」というスパイスはウコンから作られるもので、インドでも様々な効能を期待して使われるようです。

 

日本では、沖縄で400年にわたって栽培されているほか、海外からも様々な品種が導入され、鹿児島や奄美諸島で精力的に栽培されています。

 

一般的には、飲酒の前などに飲まれることの多いウコン。 沖縄では、身体の調子が出ない時、お腹が痛い時、内臓が疲れていると感じた時などに手軽に飲まれてきたそうです。

 

江戸時代には薬草としてだけでなく、染料としても広く利用されるようになりました。

 

鮮やかな黄色と殺菌・防虫効果が得られるため、産着や手拭い、貴重品を包む布などを染めるのに使われたそうです。

 

現代でも、黄色い布で着物や陶器を包んでいるのを見たことはないでしょうか?

 

実はあれはウコンで染めた色です。

 

このようにウコンは長年にわたって、身近なものです。

 

しかし、昨今、ウコンでは様々な効果が言われています。

 

特に「飲酒前に服用すると二日酔いにならない」などです。

 

Amazonやコンビニでもウコンのサプリやドリンクが身近に販売されています。

 

カレーを食べることとウコンのサプリを服用する事は深酒に有効な効果が立証されているのでしょうか。

 

今回はウコンの二日酔いに対する効果について検証していきます。

 

ウコンとは何か

 

ウコンに「薬効」があると聞けば気になるのが、その成分。

 

秋ウコン、春ウコンには次のような有効成分が含まれています。

 

  • クルクミン
  • 精油成分(タ―メロン、ジヒドロタ―メロン、α-クルクメン、β-クルクメン、クルクモール、ジンギベレン、β-エレメン、パラ-メチルトル、フラボノイド、アズレン)
  • ミネラル(リン、鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム)
  • 食物繊維

 

主成分であるクルクミン以外にも、精油、ミネラルを豊富に含んでいます。

 

特に紫ウコンには、なんと100種類以上の精油が含まれていることが確認されているそうです。

 

ミネラルの中では、カリウムが100g中2,000mgとたっぷり含まれているので、カリウムは塩分を排泄しますから、塩分の摂りすぎが気になる方にもいいかもしれませんね。

 

漢方薬として長く利用されてきたウコン。

 

沖縄では、風邪をひいたとき、疲れやすい時、腸の炎症、気管支炎などの時に飲まれてきたそうです。

 

アーユルヴェーダでもメジャーな薬草とされ、消化器疾患や各種の炎症の治療に利用されています。

 

日本では「肝臓に良い」というイメージですが、欧米では心疾患や脳疾患などに利用する研究が盛んで、最近はがんの抑制効果が注目を集めています。

 

では気になるのがアルコールに対する効果です。

 

ウコンは漢方薬ですので、成分としては一定の効果は期待できるかもしれません。

 

秋ウコン、春ウコンに含まれるクルクミンには、肝臓からの胆汁の分泌を促進する作用があり、アルコール/アセトアルデヒドの分解を促進させるといわれています。

 

また、肝臓を保護するともいわれ、肝障害や肝硬変を抑制する働きもあるようです。

 

しかし、ここで大事なことは、ウコンをサプリで吸収して効果が期待できるのかという事です。

 

結論を申しますが、ウコンには難点があります。それは「吸収」されにくい事です。

 

ウコンの効能効果が立証できない理由

 

実はウコンの有効成分であるクルクミンですが、人体には吸収されづらいため、「ウコンを飲んでも効かない」と言われています。

 

クルクミンが人体に吸収されづらいのは事実で、各種の研究で証明されています。

 

ただ、フィトケミカルなどで、消化管からの吸収はほとんどされないものの、腸内細菌との相互作用などで全身に効果を及ぼす例はあり、一概に「吸収が悪い=効かない」とはいえないようです。

 

実際に、動物実験ではクルクミンの経口投与が腸内細菌のバランスを変化させ、一定の条件の下で発がん抑制の方向に導くという結果も出ています。

 

また、各メーカーとも、クルクミンの吸収率をアップさせるための研究・開発をすすめていますが、科学的に立証されていれば「医薬品」になるでしょう。

 

ウコンの有効成分はクルクミンだけではなく、精油やミネラルなども豊富に含んでいますので、それらの成分による一定の排泄などの効果が実感され、沖縄などで伝統的に利用されてきた可能性もあります。

 

研究や開発が進み、ウコンがもっている可能性を100%享受できるようになる日はまだ先の話であり、サプリやドリンクを飲んでもアルコールの分解を助けるほどの効果は実際には期待できず、効果があると信じた人は効果があったと実感してしまうプラセボ効果の可能性が高いのです。

 

またウコンの過剰摂取には下記、副作用も報告されています。

 

① 鉄過剰な状態になる!

 

ウコンには、鉄分がたくさん含まれています。

 

でも、多くの日本人は鉄分が不足していると言われている中、何か問題でもあるのでしょうか?

 

実は、肝臓が弱っている人の場合には摂取した鉄分が肝臓に溜まっていって、それを排出できずに鉄過剰状態になってしまうのです。

 

鉄過剰になってしまうと、肝硬変(肝機能障害の中では重度の病気)などになる可能性があります。

 

三重大学医学部の研究チームは、ウコン以外にも様々な栄養素のサプリメントに鉄分が含まれていることを明らかにしました。

 

肝機能が弱まっている人は、ウコンによる鉄過剰に要注意です!

 

② 子宮を収縮させる!

 

ウコンの中でも紫ウコンは、香りが強く精油成分を多く含んでいます。

 

この精油成分が、からだの老廃物を除去するために、子宮を収縮させてしまうのです。

 

紫ウコンの名産地沖縄では、「妊婦に紫ウコンは与えるな」と言い伝えられています。

 

これは、ウコンがからだの中の老廃物を外に出すためにはたらく作用は、胎児にまで及んでしまうからです。

 

もちろん、紫ウコンは大量に摂取しない限りなかなか流産するほどまでの効力はないと思われますが、注意が必要です。

 

基本的に妊娠中(特にデリケートな妊娠初期や後期)は、精油成分の含まれるものは摂取しないことが基本です。

 

ちなみに授乳中は、スパイスとして料理に使う程度であれば気にしなくて大丈夫です。

 

しかし、サプリメントの服用は念のためやめておいたほうが良さそうです。

 

③ 血が止まりにくくなる!

 

秋ウコンに特に多く含まれているクルクミンは、血液をサラサラにする効果があります。

 

そのため、動脈硬化の治療などで血液をサラサラにする薬を飲んでいたりすると、血が止まりにくくなることがあります。

 

また、もともと血小板が少なく、血が止まりにくい病気(血友病など)の場合も、摂取は控えたほうが良いでしょう。

 

④ 血圧が下がりやすい!

 

高血圧、糖尿病の治療のために降圧剤を飲んでいる場合は、血圧が下がりすぎてめまいなどを引き起こすことがあります。

 

特に糖尿病の治療中などの場合は、サプリメントといえども服用したいときには併用薬主治医に相談してから服用するようにしましょう。

 

まとめ

 

様々な効能を期待して使われる「ウコン」ですが、アルコールに対する効果は過度に期待しない事が大切です。

 

コンビニなどで売られているウコンのドリンクには過度に期待してはいけません。

 

最も体に良いのは無理な飲酒を控える事です。ウコンを飲んだからといって深酒をしてしまうと記憶障害や、気分の高揚からの失敗、また長年の飲酒は医学的にも肝臓に大きな負担がかかり、翌日の日常生活に支障をきたしてしまう事は明らかです。

 

アルコールに含まれるアセトアルデヒドは肝臓で分解されますが、その際に「うつ」に似た症状が出てしまう人もいます。

 

深酒の次の日に小さなことで落ち込んでしまうのは、アセトアルデヒドを分解する際の副産物なのです。

 

また、毎日飲酒をする方には、毎日ウコンを摂取する事はおススメしません。

 

ウコンには様々な効果が「期待」されていますが、一方で併用薬などの飲み合わせによる副作用も報告されています。

 

ウコン自体は吸収されにくく、飲んだだけでは吸収されずに排泄してしまうものである事を理解しましょう。

 

健康な日常生活の為にはウコンを飲むよりもアルコールの過剰摂取に気を付ける事が最も大切なのです。

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